ソーシャルマーケティングについて
ソーシャルマーケティングとは
ソーシャルマーケティングとは「営利目的のために広めるのではなく、社会貢献を目的として行うマーケティングのこと」です。
元々は、1971 年にフィリップ・コトラーというアメリカの経営学者によって提唱された概念です。
当時のアメリカは第二次世界大戦の中で、欠陥商品や有害食品による消費者被害が発生し、力の強い生産者に対し消費者の権利を主張する消費者運動が行われるなど、企業が販促のために行うマーケティングにネガティブなイメージが持たれることもありました。
こうした時代背景を受けて60年代後半には、フィリップ・コトラーが企業のマーケティングを社会問題の解決に応用する手法を提唱し、彼が著した『マーケティングマネージメント』を通じて「ソーシャル・マーケティング」という言葉が知られるようになりました。
フィリップ・コトラー氏はこれまで必要ないと考えられていた企業の社会的価値を、組織運営や消費者からの共感を得るために不可欠だと考えフレームワークをつくり、新しいマーケティングの分野を確立しました。
これは、現在主流になりつつある CSR (企業の社会的責任) という考え方につながっています。
※同じような言葉でソーシャルメディアマーケティングというものがありますがこちらは、Facebook、Twitter、InstagramのようにSNSを使い広告を発信することです。
ソーシャルマーケティングとCSRの違い
CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)」は義務であり企業が全社で継続的に取り組まなければならないものです。
その点、ソーシャルマーケティングは食品メーカーの食育や災害復旧の支援活動などにあるように、テーマの設定や活動期間などに自由度があるところが異なります。
企業への効果
企業の価値の向上
(表面上は)見返りを求めておらず、目的が自社の利益ではなく社会全体の利益を優先しているので、BtoC向けのビジネスを行なっている企業にとっては好感度を高めるいい機会になるかもしれません。
差別化
今は多くの企業が、価格競争に勝つためより安く、より高品質にを目指しています。しかしそれでは限界がありますし、コスト削減のため低賃金で働く人が出てきたり高品質を求めるあまり人体にはあまり良くない成分を使っているようでは持続可能ではありません。(余談ですが、最近の商品はより安く、より強く作りすぎているせいで分解するのにも時間がかかり地球環境にとってもよくないらしいです。。。)
そこで!通常のマーケティングではなく、ソーシャルマーケティングによって「消費者・利用者の共感を得る」ことは大きな差別化ポイントになるわけです。
社会的な啓蒙活動
やはり一個人が発信を行うより、大きな発信力をもつ企業が行うほうがはるかに大きな啓蒙活動となり得ます。
企業を通して、社会的な良い行いが広まることによって、地球環境もよくなり、人々の住みやすい社会に繋がります。
ソーシャルマーケティングによる成功事例
ボルヴィック(ミネラルウォーターブランド)
水を1リットル飲むごとにアフリカに10リットル分の水が生まれるだけの支援ができる活動を行う
アメリカンエキスプレス(カード会社)
自由の女神復興キャンペーンを行う、これにより対前年比で28パーセントもの決済額が増えたそうな。。。
CSRのように企業ごとには取り組みづらいところもあるかもしれませんがソーシャルマーケティングには、企業独自に設定し自由が効きます!
自分にできることからまず始めることからが大事ですね☺️